先週7/3、木曜日夜、ダウ指数やSP500指数、ナスダック等の米国株式指数は大きく上昇した。その材料は雇用統計の意外な強さを表すデータとのこと。しかし、この説明ってなんかおかしいのでは?と感じた投資家も多かろう。
なぜって、市場は利下げ、金融緩和を意識して上昇していたのであるから、この米国経済の底堅さを表すデータはかえって逆効果、株式市場にとっては悪材料のはずだからである。
にもかかわらず3指数は揃って上昇した。SP500指数、ナスダックはマドを開けての上昇となった。
これを見た筆者の感想は、「アメリカ株の天井がまた一歩近づいた」というものだった。これが通常の日柄であったなら素直に喜べたかもしれない。しかし、その翌日は独立記念日で米国市場は休場であった。
米国株のアノマリーの一つ「独立記念日まで好調、以降軟調となる」は先週も紹介した。独立記念日までしっかり儲けて、ゆっくり夏休みを取るためというのがその理由らしい。米国人は記念日以降の夏シーズンに後半戦の戦略をゆっくり考えるのだそうだ。
だから、サマーラリーという言葉は、独立記念日前後にいったんポジションを外した、あるいは軽くした投資家が、再度年後半の上昇を信じて、買い直すことで生じる現象だ。
しかし、年後半の上昇を信じれない投資家が多かったならどうだろう。この6月、7月の高値が年間を通じた高値、すなわち天井だと認識したのなら・・・。
・・・買い戻しは行われず、高値覚えの投資家(一般個人)が買うのみで、良くてヨコヨコ、悪くてジリ安の日々となるのではないか。いわゆる夏枯れ相場だ。(そしていつの日か本格的なウリが入ってくる日を迎えることになろう。)
今年はどうなるのか。もう一度考え直そう。
ナスダック総合日足チャートだ。
3つのマド(※)を開けて上昇。史上最高値を更新し続けている。波動カウントでは⑤波中3波動目の上昇ではないかと思われる。なら、おそらくこの3波がもう少し続き、4波調整ののち、最後の5波動目で上昇は打ち止め、その後は何らかの大きさ、看過できないほどの大きさの下落が待っているという寸法だ。
※実際には7/4に4つ目のマドを開けているのだが、この4つ目のマドは『「3つ目のマド以降の上昇の波」の途中のマド』という捉え方をしている。したがって、この4つ目マドを埋めたからと言ってすぐ下落するわけではない。逆にマドが支持役になって再度上昇することだろう。下落を心配せねばならなくなるのは3つ目のマドを埋めた時からである。
こんな波動カウントが正解なら、年後半は下落が主になるのではないかという想像が働く。だから今年の米国相場は夏枯れになるのだろうと予想される。
だから、筆者は7/4の上昇をもって、「アメリカもそろそろ終わりかな」と感じたのである。7/4以降の上昇はあっても抜け殻の上昇、死に急ぎの上昇、あるはダマシの上昇としか見えないだろうと思うのだ。
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次はこの⑤波の上昇はいつまで続くだろうかという問題だ。
こればかりははっきり断定できないが、次の米国SQ日(7/18)か、伸びればFOMC(7/30)あたりがその転換点となるというのが容易に想像できる日程だ。波動カウント的にもそんなものか。残された時間は短い。
これはラッセル2000指数の日足チャートだ。いわゆる小型株指数である。他指数が史上最高値連続更新、あるいはもう少しで届くかもといった価格レベルまで上昇しているのとは異なり、先週の上昇をもってしても、ラッセル指数は昨年末の高値にはてんで届きそうにない。いわゆる最出遅れ組である。
「上昇する時は大型株から、下落する時は小型株から」の法則(※)に則て言うなら、下落トレンドになるのはこのラッセル指数が最も早いだろう。上で言ったように、大型株がヨコヨコを保っている場合でも、ラッセルはいち早く明確に下落トレンドのサインを示してくれることになろう。
(※)投資家が危機を感じた時、経営基盤の脆弱な小型株からまず最初に手放すという理くつだ。上昇の時はその逆で有名で安心感のある大型株から買っていく。
ナスダックやSPの下落が始まるのはそれからのことになるだろうから、アメリカ株全体の先行指標になるはずだ。ここから先よーく注意してチェックしておきたい。
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だから、わが日本株も急がねばならない。いくら米国株の資金逃避先の一つに選ばれているからと言っても、米国株の急落が始まってしまえば少なからず巻き込まれてしまうことは自明の理だ。
【日足】
先週月曜日の高値が日足5波の天井ではない、天井はもう少し先という認識の下であるなら、このチャネルラインは有効だ。ここからはもう少し調整が長引く心配もあろうが、最低限ライン寸前までの水準まで価格は上昇するはずである。そこが天井であろう。
この認識に変更はない。
またその天井の時期は、米国SQ日か、7月末前後、あるいは運が良ければ最長でお盆週まで伸びるかといったことも変更はせずに済みそうだ。
しかし、不吉な兆候もあるにはある。
【現物225指数週足】
カブセの陰線が出た。筆者も一目置いている強力な天井サイン。今週、もしくは来週まで調整が長引くかも知れない。あるいは完全な天井サインだってこともあろう。
金曜日スタートの変則週足はどうなっている?
青色点線は昨年秋から今年春前まで形成されていた長期もち合いレンジの上値抵抗線だ。日足では3度、4度と突破に成功していながら、最後は伸びずこのライン下に押しとどめられていた憎っくきラインである。
今回もまた同じ轍を踏んだ。しかも直近高値を突破していながらの話だ。あろうことか、上昇が連続した挙句の(ほぼ)寄り引き同時線を出現させてしまっているではないか。通常週足で見たカブセの陰線よりももっと重罪だ。
金曜日高寄りしたことで、このまま陽線なら完全否定も考えられたが、あいにくの陰線で、このまま下落が続いたのなら、最も怖い宵の明星の類型になってしまうではないか!
しかし、この変則週足の長所は、今週の動きを想像しやすく、戦略が立てやすいということだ。
不吉なローソク足パターンを打破するには、今週木曜日の終値で先週週足の始値(6/27、39866円)以上の位置に回復してくれさえすればいいということになる。ハードルは低い。週初から下げ続けなければ簡単にクリヤできる。また期待に反し下げ続ければ、簡単にあきらめ切ることもできるだろう。非常に優れた週足なのである。
【4時間足】
4波中であろうか。ここからはまだ下落余地はある。押しが大きければジグザグ波動になるだろうし、小さければフラット修正波と呼ばれるだろう。
もちろんここからすぐ上昇してくれる展開も十分可能だ。いわゆる5波進行、あるいは5波続伸ということだ。
金曜日の下落はやはり5日の予知夢に対する警戒感が影響していると思う。直接売り仕掛けはしなくても、参加者自体が少なかったのではないか。また参加していたとしても、カイ持ちはできないだろうし、ウリで仕掛けたとしても最後はポジションを丸にしておきたい処。
海外投資家、個人投資家の参加が少ないところに、不安心理を突いた小賢しいばかりの日本の機関がウリを出したのであろう。刃向かうものがなくだらだら下げただけのことであってみれば、月曜日は金曜日のあの夜の勢いを思い出して反転する可能性だってあるのだ。
しかし、どのような道程を進んだにせよ、天井までの道は苦難の連続であろう。
ここで三味線伴奏に乗せて浄瑠璃。
(べーんべん)
推進波のようで推進波でない(べんべん)
調整のようで調整でない(べんべん)
それは何かと尋ねたら、
エンディング・ダイアゴナル!
というわけで、ここからの5波動目は3波動構成のエンディング・ダイアゴナル形状を再度妄想して進めてみるつもりである。
【結論】
最終的には今週は上昇に賭けている。週初にもう少し調整の動きを見込んでもいるが、米国株が順調な限りは日本株も大丈夫。同じように上昇を続けるだろうと思う。
唯一、日本に対するトランプ関税が気になるところだ。30、とか35とか言ってやがる。ベッセントに至っては、「日本は選挙で忙しいだろうから、それを先にかたずけな」と上から目線で言うじゃな~い。
でも、アンタ、マスク新党でもっと忙しくなりますから!残念!! 大型減税斬り!!
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では、明日月曜日の戦略会議にしよう。
明日は買いたいのはやまやまだが、やはり月曜日だし、欧米も休み明けで参加者は少ないかもしれないので、様子見から入りましょう。ただし、下落から始まったら買うよ。
この1時間足のライン引きを見ても、波動はどうとでもなる。上で言ったように、フラット、ジグザグ、上昇5波、現時点では分かりっこない。
<重要ライン>
①41055〜41725・・・日中マド6
②40870・・・直近高値
③40355~40645・・・4時間足仮天ネックゾーン
④40305・・・4時間足ジグザグ上昇N値
⑤40040・・・上昇転換ライン
<参考>39965・・・現物225指数・昨7/16始値(抵抗ライン)
⑥39795・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑦39790・・・5日線処
※39760・・・ナイトセッション終値
⑧39695・・・ナイトセッション・バリューハーフ
⑨39620・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑩39580・・・先週もち合い時のバリュー下限値
⑪39430・・・日足直近安値
⑫39235・・・本日下落目標値1&下落転換ライン
⑬39215・・・BS転換ライン
⑭39095・・・全3波上昇の61.8%押し
⑮39000・・・本日下落目標値2
⑯38975~38935・・・日中マド5
⑰38955・・・全①波天
⑱38630~38405・・・日中マド4
㊵38000・・・日足押し安値
㊶36630~36555・・・日中マド3
㊷34685~343355・・・日中マド2
㊸32640~32310・・・日中マド1
<詳細>
先ほど先に下げたら買うよと言ったが、これがなかなかむつかしい。下落メドが数種あるからだ。
まず、⑭⑮なら当たり前のカイだ。これ以下は⑰割れがない限り可能性がある程度の問題。軽く一蹴しよう。ナンピンしたっていい。
⑪前後ではフラットの終点として買いたい水準。下落が止まる第一候補だ。
主にこれらの2つだが、これらの中間の39200円台も捨てがたい買いポイント。
結局その場の雰囲気次第だから、上から順番に買い下がるしかないか。(もっとも筆者は買い下がるというよりも、いちいちロスカットして次に備える作戦を選択するが)
だから先に下落が始まったら、とりあえずウリだ。今回は⑩割れで対処したい。無駄になるかもしれないが・・・。
素直に上に行ってくれれば問題はないが、ダマシの可能性も濃い。そんなこんなを考えたら、まずは39700円前後で打診買いでも入れるつもりでの応対がいいかもしれない。ほんとあっさり「上」ということもあるのだ。
よくわかりましぇん。1発目の仕掛け時間を9時半頃にするとか、なんか工夫をしたい。
<マイポジション&スイングトレード的構想>
売2(40600台、39800台) 1枚増
買2(37500台、38700台) 1枚減
信じていたわけではないが、やはり気持ちが悪い。売玉を1枚増やしてポジションスクエアにしておいた。寄りからの値動き次第だが、すぐ決済予定。
<前日感想戦>
下寄りだったのでマド埋めまでの下落を待つ。前夜の買玉は9時すぐ39960円で身軽にしておく。
その後マド埋めで39880円GOも39845円即死。10分後バリュー下限値割れ39735円でも買ったが、これはすぐ上昇した処、39790円で手放した。プラス圏に戻す。
やはり不安心理をうまく突かれているような感じ。上昇気配が感じられないならと、11時過ぎてから39800円でウリ断行。
この日は朝からやる気なく、ポジションを守ることに専念。なので、39800円を超えることがあってもウリ玉を処分せず。それ以上の上昇はあきらめていた。何事もなければ、『月曜日朝では、それほど大きな損切りにはならないだろう』と高をくくっていた。
ナイトも見てるだけ。
以上。
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