※ 筆者は今週より次の3限月物でのトレードに取り組みます。よって以下の記事で記載されてぃる数字は特別に断りがない限り3月限の数字です。ご注意ください。
さて、【売り向かう】というテーマで相場に向かった筆者であるが、見事打ち返されてしまい、火消しにアップアップとなった先週の後半戦であったことはご存じであろう。
あそこまで(特に木曜日の)強烈な上昇っぷりを見せられては、チャートやローソク足分析の常識的判断ではカイに傾かざるを得ない状況であることはわかっている。が、心情的には依然として売り目線のままではあるのは何故なのだろうか。
プライドだろうか? 否、いつでも潔く転身することができないと長く相場で食っていくことはできないことを知っている以上、そんなことは絶対的にない。決断できない何かがどうしてもあるのだ。しかし、それが何かがわからないのである。
例えば【日足】だ。
先週の週間予想記事において、筆者は「3波はすでに死んでいる」とした。それは変則週足チャートの解釈が一番理由であったが、月足③波中5波の衝撃波がついに否定されたことも重要な理由であった。
この月足③ー5波全体は図の赤色①~⑤のように3波拡張型衝撃波の様相を呈している。その場合、その衝撃波全体が終了とみなされる条件は、④波底まで調整が進むことである。青色ラインを引いたごとく、2度3度4度、ラインを確かに割り込んでいる。だから、3波全体が終了して④波進行、現在の上昇はリバウンド中だと断定できたのである。
しかし、その割り込みはいずれもローソク足実体ではなく、下ヒゲだけで終わっている。盛り返したのだ。通常のライントレードでは、実体でラインを割っていない状況は、まだ完全に「ラインを割れた」とは解釈しないだろう。ぎりぎり粘っている状況だ。エリオット波動ではすでに「月足③波は終了」でも、通常解釈ではそうではない。まだ上昇トレンドはかろうじて残っていると言えるだろう。この矛盾の解消に困っているというわけである。
また、木曜日の上昇の印象が強烈すぎて、もしかしてまだ月足③波は終わっていないのではないかというシナリオも再浮上してきた。先々週までの調整は月足③ー4波ではないかというものだ。このシナリオと、⑪月の最高値を突破してしまうような上昇なら拡大型フラットもある。これは月足④波としての形状だ。
いずれにしても、上昇に対する脅威は止まるどころか日増しに強くなってきてはいることは確かである。
が、やはり信用できない何かがある。
それはたぶん米国市場の上昇の原因が「利上げ期待」だけということからくるのだろうと思われる。
ラッセル2000指数は全戻しに近いリバウンドを達成した。日経の値動きに最も近いSOX指数も同じく全戻しっぽい。いずれも利下げの恩恵を受ける銘柄群の指数であるから特別だ。FRB関係者が漏らした発言ひとつで、こうも上昇するとは驚きだ。しかし、他の市場(ナスダックやSP500)はつられて上昇したか。ラッセルに較べたら小さいが、それでも8割くらいのリバウンド率だろうか。やはりはしゃぎすぎなのではないだろうか。
が、もともとはパウエル氏のタカ派的発言から米国株が変調をきたしたことは確かである。それが元に戻っただけという解釈ならどうだろうか。今回の全戻しで、調整前の元の位置に戻った。これなら利上げもくそもない。
だから、今週10日のFOMCが重要なことは確かである。それによって、上昇が続行すれば、米国株は調整相場になったのではなく、単なる上昇相場中の軽い調整だったという結論になろう。逆に再度下落反転すれば、やっぱり上昇相場は終了、本格的な調整相場になるぞという解釈が成り立つだろう。
だから、今度のFOMCとその後のパウエル談が重要なのである。
米国株はそれでいい。しかし、日本株は?
日本株の戻しは残念ながら6割強である。これとてよく戻したと言えるだろうが、米国株に較べたら全く物足りないデキだろう。
理由は何か。米国とは逆に日銀の利上げ観測が強くなったからか。そもそも米国の利下げ自体は日本に直接無関係だからか(恩恵を受けるには長い時間がかかるという意味で)。売り方の勢力が強かっただけなのか。他に理由はわからないが、とにかくつられて上昇したことは確かである。
米国株の急上昇といい、ショートに大きく傾きかけていた日本株市場の相場環境といい、その買い仕掛けのタイミングはドンピシャだったのではなかろうか。買い方の仕掛けは想像以上に炸裂した。
とまあ、こんな憶測に至ってしまう。日本株の場合は単に米国株につられて上昇、リバウンドしただけと言えるだろう。
が、その米国株がやはり重要だ。日本株に主体性がない以上、これもまた10日のFOMCやパウエル談が重要となるわけである。というか、チャート上からも波動上からもはっきりした意見が言えない以上、そのイベントを待つしかないのである。
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であるからして、今回はあえて「FOMC以前」の予想をしてお茶を濁しておこうと思う。
その前に【4時間足】で相場の大雑把な行方だけを述べておく。
今回の上昇をどう解釈するかは人それぞれである。筆者とてまだ結論を急ぐ段階ではないと感じている。
が、緑色矢印の戻し高値ライン(51595円)が重要であることは衆目の一致する処だろう。超えるか超えないか、それはやはり10日(水)のFOMC以後の値動きではっきりすることも同じだ。そのイベントは日本時間の朝方だろうから、11日(木)の日中セッションでの話になろう。
11日木曜日日中セッションと言えば、現12限月先物の最終トレード日である。なんと比喩的な事だろうか。そんな日に51595円を超えるか超えないかを争うのだ。実に面白い。
51595円を超えたら、史上最高値はおそらく更新する。それはエリオット波動で言うところの月足④波の拡大型フラットとしてであろうか、月足③ー5波の衝撃波としてであろうか。どちらかはわからないが、とにかく前の最高値は突破する。
前者の解釈なら54000円近く、後者なら56000円に届くかどうか位までは上昇する予定でいる。それまではウリはない。カイまくるしかない。
が、筆者のカンでは、おそらくラインに届かず失速するだろう。FOMCの内容が好感されても一時のことで、上昇はライン付近までで止まり、やがて下落に転じるだろうと思っている。内容が好感されなければ、このまま下落していくだけである。
理由は単にカンだけであるから定かではないのだが、あえてとならば、本当の「利下げ期待」は翌週16日(火)で発表される雇用統計イベントを待つ必要がある気がしているのだ。
おそらく今週のFOMCでは利下げ自体はあるだろう。いくらパウエル氏が頑固でもこれだけ期待が高まっておっては後には引けないだろう。しかし筋を通すなら、その発表後のコメント時だ。「来年1月は今は約束できない。もっとデータが欲しい」とタカ派発言が予想されるからだ。そのデータの代表が16日の雇用統計ということになる。
もし、日経先物が51595円を突破していくなら、16日ナイトセッションでのことになるだろう。弱いデータが出れば「利下げ期待」は復活する。もちろん強いデータが出れば遠のく。
※そう言えばトランプが「次期FRB議長決定は来年の早い時期になる」とベッセントが言った「Xmasまでには」という日程を遅らせる発言をしたようだ。トランプも次期議長決定が「終わりの始まり」になると感づいているのだろうか。それとも10日のパウエル氏のコメント次第でまた別の行動を起こすつもりかもしれない。思惑がらみで面白い。
※いまの今感づいたのだが、もし③ー5波の上昇だとしても56000円を目指す上昇ではなく、フェイラー(未達)ではないにしても、現最高値である52740円をほんの少ししか上回らない小さな上昇、エンディングダイアゴナルになるかもしれない。このまま3波構成(チャート青色ライン)で進んでいけばの話。
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ではイベント前の値動き研究だ。たぶんFOMCまではレンジ相場ではないかと感じている。どこのレンジだろうか。感づいておられる方も多いはずだ。先週の木曜日、あの強烈な上昇劇を演じた日中セッションの値動きである。
この分析にはマーケット・プロファイルが最適なようである。木曜日日中セッションから金曜日ナイトセッションまでのセッションごと(都合4セッション)のファイル図を載せよう。
青色の鉛筆書きで山を4つ書いてある。12/4ナイトセッションには2つの山、12/5は昼夜ともに1つずつの山だ。この山は何をあらわしているかというと、いわゆるモード帯である。そのセッションで最も多くの価格を含む前後の価格帯をあらわしている。つまりはそのセッションで最も多く動いた価格帯だ。
12/4日中セッションは1本の細長い棒のようなもので、特にここ!といったモード帯は見つからない。これは1日を通して(上昇)トレンドが続いたことをあらわしている。
今回のようなFOMCという重要なイベントがある場合、日程が近づくほど動かなくなる理由は、レンジ相場で時間つぶしをすることになるのは経験としてご存じだろう。そのレンジを予想するのに有効なのがマーケットプロファイルと言えよう。
とにかく、FOMCまであと5セッション、相場は時間つぶしをする必要がある。なんとなれば、多くのトレーダーがその時に注目しているからであり、したがって、その時まで身動きできないからである。このレンジ(51090~49855円)を上にも下にも更新することはないと言える(※参照)。
※実際には少しばかりはありうる。スローオーバーというやつだ。あるいはダマシの上げや下げと言ってもいいだろう。その場合には逆張りが有効対抗策であることは事実だ。
また、イベント期日前に大きくレンジ高値や安値を突破してしまうこともあるだろう。すぐレンジ内に戻らない場合だ。その場合の解釈はこうだ。それは多くのトレーダー間に上昇または下落の合意がなされた場合である。それは突発的なニュースがきっかけになる場合もあるだろう。あるいは明らかな確定事項との判断で時間まで我慢できず買っていく、売っていく場合もある。この場合には逆張りは危険で、飛び乗りなどの順張りが有効手段になってくるのは当然である。
今回の場合はどうだろうか。売り方買い方、真っ向勝負。見方は割れていると思っているので水曜日夜まではレンジと想定しているが。もしウリでもカイでも確固たる自信があるのならその通りに行動すればいいだろう。
話がそれてしまったが、この書かれた4つ以外にどこの価格帯を試すかを各自探ってみるといい。簡単である。こうなった。
当然。4日のレンジ高値近辺や安値近辺がまだ1回も試さずに残っている価格帯である。その他にも小さな谷間があるので書き加えておいた(オレンジ丸印)が、1セッション終了ごとに確認しつつ次のセッションの予想に当たるといいだろう。
ただし、どこの価格帯から先に試すのか順番は決まっていない。高値が先か安値が先か、真ん中が先かということだ。とびとびに動くこともあるだろう。しかし、全価格帯を試すのはほぼ確定的事実である。(安値近辺だけは例外だ。この安値49855円~50000円はテールと呼ばれる確率高い。50000円割れはほぼないかもしれない。それでも試しに下落してきた時は絶対的にカイである。)
まとめると、明日月曜日から水曜日日中まで(あるいは水曜日ナイト前半まで)の5セッションはこの12/4日のレンジ内での値動きになるという予想だ。12/4日中は1200円近くの値幅があったが、その夜は600円幅、金曜日は昼夜ともに400円幅の値動きだった。明日からの2,3日も値幅は400円程度に収まる公算だ(もっとも夜は突然ボラが高くなることもあるから注意)。それを頭に入れてトレードを組み立てよう。
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では、明日の分析とトレードアイデアを一席。【1時間足】で。
寄り付きから上方向か、下方向に動くかはわからない。よってカイかウリかはその時になってみないとわからないが、寄り付いた時点で、その価格からどっちの方向に動きだそうとしているかは大体絞られてくるはずだ。わかった時点で売ったり買ったりすればいいだろう。すでに全体のレンジはわかっている。この日がどこの価格帯を試しに動くのかも早い時間にわかってくるものである。
<重要ライン> ※3月限の数字です。12限月はこれより30円安くが目安。
①52785・・・4時間足小ジグザグ上昇チョイ拡目標値
②52740・・・最高値
③52245・・・4時間足小ジグザグ上昇N値
④52135~52720・・・4時間足天ネックゾーン
⑤52095・・・4時間足ジグザグ上昇チョイ拡目標値
<参考>51629・・・現物225指数・変則週足4週前始値(カベ)
⑥51595・・・日足戻り高値
⑦51485・・・上昇転換ライン
⑧51455・・・4時間足ジグザグ上昇N値
⑨51140・・・4時間足上値メド
⑩51090・・・日足直近高値
⑪51070・・・先週木曜日の日中バリュー上限値
⑫50780・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑬50685・・・金曜日日中高値
※50680・・・ナイトセッション終値
⑭50625・・・ナイトセッション・バリューハーフ
⑮50555・・・ナイトセッション・バリュー下限値&下落転換ライン
⑯50260・・・1時間足押し安値
⑰50200・・・5日線処&先週木曜日日中バリュー下限値
⑱49855・・・先週木曜日日中安値
⑲49625・・・4時間足下値メド
⑳49105・・・日足直近安値
㉑48315~48220・・・日中マド1
㉒48205・・・大下落転換ライン
㉒46425・・・日足ジグザグ下落N値
㉛46385~45990・・・日中マド2
<詳細>
12/4のレンジだから、先に上に行けばアトは下がるだけである。⑫を突破した時点で買って、⑩ないし⑨、あるいは少々高値更新で利確&ド転ウリ。この売玉はレンジ逆側の50000円前後まではスイングしてもいい。
先に下に行った場合は⑮割れでウリ着手。が、最終的には50000円前後までの下落が見込まれるとは言え、セッション値幅をおとなしく400円程度に想定しているので、⑰あたりでいったん下落が止まるかもしれない。反転してしまってはもったいないので、素直に利確優先を実行する手か。一転、今度は高値試しをしに上がってしまう可能性だってあるのだ。様子を見ようかな。
本格的なカイはやはり50000円の声を聞いてからということになろう。
<注>買い方が我慢しきれず、⑨を大きく突破させてしまうかもしれない。その場合のウリは即ロスカット。カイに飛び乗るべしとは上で書いた。その場合、12/4のレンジにはもう用はない。FOMC直前は⑥(たぶんその手前)に張り付いているだろう。ただし、その値動きはイベント後でさらなる上伸を確約するものではない。下落してしまう場合もあることは当然である。
<マイポジション&スイングトレード的構想>
<12限月物>
売1(51100台) 変わらず
買1(42900台) 変わらず
※とうとうここまでやってきた。これはもう仕方ないので上で想定したレンジ安値で売玉を、同高値で買玉を別々に処分することになろう。ご苦労さん。
が、大事なのはそれから。レンジ高値、安値を後で付けた方に関しては3月限でド転・逆張りを仕掛けようと考えている。この逆張りはFOMCのイベントプレーである。もしかしたら、それが3月限の高値や安値になりうるかもしれないとスケベな思惑を抱いている。もちろん水曜日のナイトセッション前半(ロンドンタイム)で大きく利益が出るほど値が動いたらFOMC本番前に利確するかもしれないが。
<前日感想戦>
9時すぎ、不思議な下げで、想定レンジを変更。50500円~下は50170円を狙うことに。50420円でウリを放つ。
が、すぐ下落も戻ってしまい10分後50380円で撤退。50170円にはいかず。
10時10分前、50440円で再挑戦。これも10時半チョイ前50345円であきらめる。
後場はお昼まで見ていたが、値動きに変化なしで終了。
ナイトは50500円で早い時間に手を付ける。上昇はわかっていた。日中ダメならナイトでしょう。日中バリュー上限値50495円を再突破前後で。7時半すぎ50655円で利確して終了とした。それ以上は期待しなかった。目の前の利益優先。
以上。


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