パウエル議長の講演は想定外のハト派内容だったらしく、米国株は大きく上昇した。ことにダウとラッセル指数は異常な盛り上がりようで、ラッセルなどは3.8%以上前日から値上がった。ナスダックとSPももちろん上昇したが、ダウの上昇率には少し及ばずと言った処。
これは何を意味するものだろうか。・・・・・・
4月の暴落からその回復力が最も進捗したのはナスダックであったのはおわかかりだろう。順番を付けるなら、ナスダック>SP>ダウ>ラッセルであった。
つまり、最も出遅れていた指数ほど今回の上昇率が大きかったということだ。すでに最高値更新を終えているナスダックやSPの上昇率が前2者に及ばなかったということになる。
そして今回の上昇でダウはやっとこさ終値ベースでの史上最高値を更新した。ラッセル2000は未達のままだ。そのラッセル2000指数のチャートはこうなっている。
史上最高値ライン(緑色水平線)までにはまだまだ差がある。果たして到達できるのだろうか。
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8月1日(緑色矢印)からの上昇波動は「鮭の滝登り」を想像させた。4月から生まれ故郷の川の上流を目指しての長旅は何のためであるのか。何%もの仲間が獰猛なヒグマの餌食にされるとわかっていながら、急な滝を登っていかなければならないのはなにゆえか。
それは産卵のためであろう。子孫を残すためである。しかし、その産卵を終えた鮭はそこで一生を終える。もう一度海に帰ることはない。
今回で5波動目、一番急な滝のようである。鮭の旅の終わりは近い。
ラッセル指数もまた、先行したナスダックやSP500に何とか追いつこうと必死のパッチで上昇してきた。ラッセルも鮭も理由はどうあれ必死なのだ。が、如何せんラッセルは出遅れ組の小資本企業の集合体である。米国株全体の勢いが止まった時、まず下落していくのがこのラッセル指数なのである。したがって、史上最高値には届くことなく一番先に下落していくのかもしれない。
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話は変わるが、最近は海外投資家が日本株を買い越しているという記事をよく目にする。それ自体はいいのだが、飛躍して『だからアメリカ株の代替先である日本株はこれからもますます伸びる』という論理はどうなのだろうかと思う。
米国の金融関係者にとって、日本株は自国のラッセル指数と同程度の扱いなのではないかと感じている。つまり出遅れ組だ。真っ先に買われるのはダウやナスダックの優良銘柄であって、日本株なんぞは最後の最後に買う、ほかに買うものがなくなったときに買う銘柄なのではないのだろうか。
ナスダックやSP銘柄の上昇が止まる気配が見えている今でこそ、ちやほやされて上昇してはいるが、ひとたび危機が迫ったら、真っ先に資本を引きあげられる。それが日本株の宿命ではないのだろうか。
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だいぶ誘導できたかな。
ここからは今週の予想に向かおう。
先週水曜日の下落以降、一時的にでも自信を持たせてくれた波動シナリオは早くもその寿命を閉じることとなった。今もって自信のあるシナリオは見つからない。いっぱいありすぎて絞り切れないのである。
【日足】
たとえば、こんなシナリオも浮上してきている。4月暴落時からの上昇5波全体が3波構成のエンディングダイアゴナルになっているという設定だ。しかし、これも新しく生まれたものというより、過去に浮かんだアイデアの蒸し返しである。新鮮味に欠ける。
が、このシナリオの良い所は、最後の上昇の前にちょっとした調整を差し挟むことができることだ。
・・・そう、このまま上昇し続けて8/19の高値43935円をすぐさま突破してもらっては困るのである。なぜなら「今9限月中の高値更新はない」という想定を順守したいからであることは言うまでもない。この想定を守ることこそが筆者の唯一の生きる証なのである。
確かにピークアウト感がなかった。だから大天井はまだ先にあるということは誰しも同じ思いだろう。だから、「今限月中の高値更新はない」とは限らないが、この想定が破られない限り、この想定で話を進めようと思っている。悪しからずご了承を。
※日足のシナリオは固定しないのは変わりない。不明のまま進めるという意味である。
【4時間足】
4月からの上昇波動のカウントを固定できない(全体が日足5波であることはわかっている)以上、この4時間足で考えるしか方法がない。
で、現在は最後の上昇、大天井に向かう最後の上昇の一歩手前の調整であることになろう。
そして先週の下落がA波(青ライン)だとしたら、今週はB波ということになろう。この路線でやってみる。
先週金曜日の早いうちでは、このB波はダラダラした、上昇幅もあまり大きなものではない上昇で、週末からはC波の下落に向かうものと想定していた。つまり、ジグザグ波動を想定していた。
が、パウエル議長講演後の上昇が比較的大きく派手なものであったようなので、フラット波動を考えざるを得なくなった。(A波は5波動構成とも3波動構成ともとれる。)
どちらにしても、4時間足のネックゾーン(四角枠、下記デイリー指標参照)が注目水準になってくるだろう。そこが上値の最大メドとしてみようと思っている。
このネックゾーンを超えてくると最高値はすぐそこ。買い直しを迫られるポイントである。また筆者の想定シナリオも描き直す必要がある。
どのようになるにせよ、今週は堅調な相場になるだろうと考えるのが常識的だろう。
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しかし、ここまで物知り顔で書き進めているうちに弊害が出てきていることに気が付いた。【現物225指数・日足&変則週足】だ。筆者にとっては翌週の予想をするうえで欠かせないツールである。この中に生じている天底サインはほぼ「絶対的」なもの、「絶対的」に信頼すべきものであるのだ。
その変則週足がこんな形になった。
陰のトンカチ、実体を十字足的とみなせばトウバとなる。どちらでも高値圏で出現すれば天井サイン。天井圏でなくても翌週1回くらいは価格が軟調に推移することは体験上よくあることである。
困った。今週は比較的堅調推移予想なのではなかったか?
仕方ない、少し変形させてみよう。
このような、今週は実体は陽線でも上ヒゲの長いローソク足にしてみよう。そして来週は長めの陰線を描いたのなら、先週のトウバまたはトンカチの面目も立つことだろう。
それはまた同時に、先週からの3週間で筆者が上で描いた「ジグザグ修正波の完成だぁ」となろう。四方八方丸く収まるではないか!
・・・これは妙案だと思ったが、また別の矛盾が出てきた。今度は【イベントスケジュール分析】を考えてみよう。ここから1か月のスケジュールを表にしてみた。
後半はもういいね。だいたい考慮されていると思う。相場が何らかの転換をするのであれば、ここらあたりがあやしいと考えられるイベント群だ。それらについては来週以降に検討しよう。
問題は来週である。
月曜日9/1の米祝日とはレイバーデーのことだ。アノマリー的には年後半の相場を占ううえで重要なイベントであると言われている。翌日からは夏休みから帰った機関投資家が出揃って、相場は活況になるらしい。米国株のアノマリー的には9月は上昇率が落ちるらしいが、そんなことは筆者はあまり考慮しない。
むしろ、この祝日で米国が3連休になるということに意味を見出したい。
すなわち、直近が上昇トレンドなら、3連休前の前の週はメイチの上昇が演じられることが多いということである。だから、今週は目いっぱい上昇する確率が高いと思われるのだ。連休前に上げるだけ上げておいて、連休明けから下げるとか。金を持ってるやつの考え方は汚いということだけは覚えておいて損はない。
だから、今週木曜日まで上昇し続けて変則週足が大陽線にでもなってしまったら大いに困るのである。先週のトンカチがダマシになってしまうだろう。ダマシ自体はいいのだが今回は避けたい。ダマシになってしまったら、来週の上昇もほぼ確約されることになってしまうからだ。そうなると、来週中に新高値が誕生することになる。これが一番困るのだ。
しかし、今週は上昇の確率が高いとはいえ、パウエル議長がはっきり「利下げするよ」と確約したわけではない。データ次第というスタンスは変わりない。なので、今回の講演の効き目がいつまで続くかもわからない。
ましてや、直近上昇トレンドとは言え、米国株はこれが最後の上昇ということも考えられるだろう。相当な上昇率だからね。その場合は週末にかけては先駆けて売られる可能性もあるだろう。
やはり、上ヒゲ陽線、陰線になる確率も高くなってきた。月、火は上昇しても、水、木は米国株に同調して売られるかもしれない。(そうなったら筆者の思うつぼである。ウシ、ウシと。)
尚、5日の雇用統計は今回から重要イベントに昇格させた。利下げが実際に実行されるまでは注意深く見ておくべきだろう。今回もし前回とは逆に強い数字が出たら、翌週から大波乱ということになる。トランプに見込まれた新しい担当主任さんが、どんな数字を出してくるのか楽しみである。
※上のスケジュール表において、最下段の相場予想は無視してほしい。これは筆者が思考を単純化するために、便宜上「堅調」と「波乱」を交互に入れてみただけのことである。実際の予想とは異なる。
【結論】
堅調推移が見込まれるが、週後半に息切れする可能性も大。
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では、明日月曜日の予想をしておこう。明日はさすがにカイであろう。
【15分足】だ。
図では④波の途中とあらわされているが、もしかしたら③波中の4波かもしれない。どちらにしても、⑤の上昇、あるいは③ー5波の上昇狙いで行く。
<重要ライン>
①43935・・・直近高値
②43775・・・直近下落90%戻し
③43630・・・本日上昇可能値(実験中)
④43615~43840・・・4時間足・新天ネックゾーン
⑤43315・・・直近下落61.8%戻し
⑥43275・・・本日上昇目標値2
⑦43180・・・本日上昇目標値1
⑧43145・・・4時間足ジグザグ上昇拡大目標値
⑨43110・・・直近高値(ナイト高値)
⑩43000・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑪42940~43005・・・ナイト上昇浅押しゾーン
※42925・・・ナイトセッション終値
⑫42920・・・5日線処
<42866>・・・現物225指数・変則週足の先週始値
⑬42850・・・ナイトセッション・バリューハーフ
⑭42755・・・1時間足ジグザグ下落N値
⑮42730・・・前日日中マド埋めライン
⑯42685・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑰42670・・・1時間足押し安値
⑱42315・・・直近安値
㉚42175~42030・・・日中マド7
㉛40410~40330・・・日中マド6
㉜38975~38935・・・日中マド5
㊵38630~38405・・・日中マド4
㊶36630~36555・・・日中マド3
㊷34685~343355・・・日中マド2
㊸32640~32310・・・日中マド1
<詳細>
現在が④波ならこの調整はフラット波動になるだろうし、③ー4波ならジグザグになるだろう(オルタネーションの法則による)。よって、ここからの押し目は浅、深、両方を見ておきたい。
まず、先に⑩前後まで上昇したら、フラットの可能性が高く、ここから売ることも可能だが、やはり寄付き直後は怖い。黙ってやり過ごして押し目を待つ方が無難か。⑬あたりで買い場はやってくるだろう。
先に下落したら、ジグザグ波動ということになる。この場合の押し目は⑭だが、意外と深くなる可能性がある。⑯まで見ておく必要があるが、おそらく⑭で事足りると思ってはいるが。
買えたなら⑧~⑥を目標に利確しておけばいいかな。
さすがに昨日の今日で下落することはないと思うが。
<マイポジション&スイングトレード的構想>
売1(43700台) 変わらず
買2(37500台、42900台) 1枚増
利確優先路線は変わらず。
<前日感想戦>
まず急落を見てしまって失敗。あれよあれよと下がっていった。なら、下で待つしかない。
9時18分頃、42330円でゲット。42315円で下落が止まったあとのウリカイ攻防時で買い参戦。
すぐ上昇。本来なら底値予想ばっちりの買いなので長く持ちたいのはやまやまなれど、何度も全戻しをくらわされているので利確優先とした。9時半チョイ前、42545円のチョイ手前。
20分後42570円でカイ直し。安値42315円がエンディングダイアゴナルの終点なら、始点43005円までは速やかに戻る、はエリオット波動の使える法則。ここからは積極的にカイ出動。でも利確優先は忘れない。これも30分後42680円で。
しかし、12時すぎ42555円カイを1時間後▲35円を計上してからは日中分を終了とした。動かなくなってしまったようだ。
ナイトに再び。5時40分、42680円カイは寄付き坊主を維持していたので自信過剰に。全戻しされてしまったが、7時40分42730円に戻したところで利確を入れる。
9時10分過ぎ42680円で再度。11時すぎパウエル講演で噴いたが、ちょっと下落した処42900円で利確した。高値は43005円くらいと決めていたからね。
その後の乱高下を4波だとみなし、42900円で指値して終了とした。朝起きてあまり上がっていないことにがっかり。
※デイトレとしては満点に近いが、ナイトでやっぱり全戻しを食らったことが悔しい。決めたことやらないと。
以上。
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