トランプ関税を巡るサプライズ合意で急上昇した日経。にわかに活気づいてきた。「4万円の壁」はあっさりぶち抜かれたし、筆者だけかもしれないが、39000円割れは「あるある詐欺」となってしまい、どちらも最初っから無かったかのような振る舞いだ。
大和や野村など大手証券は早くも年末、年度末の目標価格を上方修正、変わり身の早さは筆者以上である。それほど大きな修正ではなかったようだから、有頂天になってはいないようだが、おそらく個人投資家に株を買わせる手段でもあるのだろう。はやし立てるのもいい加減にした方がいいのでは。ここから買わせてどうなる?
というのも、この【日足】だ。
すでに上昇の5波動目じゃないのか(青ライン)? しかも、その5波動目もすでに4波で上昇も残す処あと1波分。それにこの5波全体は大きなくくりの③波中の5波動目であるから、それが終了すれば調整④波だっせ。それを説明しての営業ならいいけどなあ。
期待大の読者に水を差すようで悪いが、ご覧のように今回の上昇はどれだけ、どこまで上昇するかはわからないが、しょせん残りカスと考えておいた方が無難だ。つまり昨年の上昇の再現などを期待しない方がいいということだ。
筆者も早い目にゲームから降りて、ウリの準備に専念しようかとも考えている処である。もっとも天底ハンターとして与えられた任務は必ず遂行しなけりゃならないから、上昇を最後まで追うことはやめたりはしないのだが・・・。
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どういう態度で臨むにせよ、今週はこの4波がどういう形状でどのような終わり方をして、上昇5波動目に向かうのかということが、全トレーダーの注目の的になっていることは間違いないだろう。
月末は米・日の中銀イベントが控えている。相場の行方を左右するメインイベントになることは衆目の一致するところだ。そして、おそらくこのメインイベント前は調整、イベント後に再上昇と予想するトレーダーが大半なのではないだろうか。
筆者もほぼ同じ考えだ。メインイベント前に上昇5波が進行するとは考えづらい。
上図での日足の青色5波を【4時間足】で詳解してみるとこうなる。この4時間足で今週の値動きを予想してみよう。
金曜日朝記事で書いたように、筆者の予想するメインストーリーは緑色ラインのようなジグザグ修正波であった。30日の日銀イベントまでに相場は4波の底を打って、イベント前後に上昇するというものだ。
が、このシナリオは金曜日夜までの話となった。昨土曜日の日経朝刊記事を読んでからメインとサブのシナリオが入れ替わった。
マーケット面では『日本株に過熱サイン』というキャッチコピー。騰落レシオや、RSI、ボリンジャーバンド等のテクニカル指標に買われすぎサインが点灯しているらしく、急ピッチの上昇に対する警戒の売りが出やすくなっているという内容の記事だった。
その下にも『個人投資家売り越し』と個人が7月第3週まで6週連続で売り越したことをさりげなく盛り込んでいた。
日経の記事には目先(当日だけでも)逆張り、というのがセオリーだ。よって、今週は(特に月曜日は)上昇になるのではないかと考えるようになった。
そこで浮かんできたのが、青色パターンである。フラット修正波だ。ここからジグザグ修正波と同じようにいったんB波として上昇するのは同じ。が、比較的早めに途中で中折れ、下落方向に向かっていくというジグザグの値動きに比べ、フラット修正波のB波は前の高値近辺にまで上昇が続くという違いがある。
もしかしたら延長型にならなくても、前の高値(今回の場合は42080円)を少しばかり、10円、20円、突破してしまうことも多い。これを見て「すわっ、新トレンドだ!」と慌てて買ってしまうトレーダーも多いだろう。ダマシのB波と言われる所以だ。
このパターンだと、メインイベント当日は高値近辺でウロチョロしているかもしれない。たぶん42000円~41800円前後での高値圏保合いを演出しているのではなかろうか。そして、イベント直後から(C波の)下落になるという値動きになろう。
※残念ながら、金ナイトまでの調整A波(42080得円→41245円)では、3波構成なのか、5波構成なのかがはっきり断定できない。したがって、ジグザグなのか、フラットなのかは現時点では判別不可能である。
また、フラットに見せかけてトライアングルになるかもしれない。なんでもありなので、要注意。
したがって、相場が上昇に転じる、つまりはラストの5波動目に進行するのは、31日木曜日のお昼の日銀政策金利発表、あるいは3時半の植田総裁コメント前後になるということだ。それまでは、どんな形であれ、やはり調整を余儀なくされるということである。
ただ、B波のリバウンド具合だけが違ってくるというわけである。
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では、このB波の違いはどんな形になるだろうかという問題に移る。
まず、B波のリバウンド具合が緩やかなものなのか、急角度の上昇になるのかということだ。
下は30足チャートである。
このように緩やかな角度で、全体としては右肩上がりを維持しながらも、上がって下がっての繰り返しで、かかった時間の割には思ったような値幅が出ない。こんな値動きならたとえ水曜日まで上昇したとしても、ウリ仕掛けを実行するのにさほど勇気は必要ない。
筆者が○○のひとつ覚えのように書いてきた「斜め三尊」「B波三山ショート作戦」を思い起こされるであろう。3つ目の山の頂上、早ければ2つ目の山から下落して支持ラインを下抜けたところでウリをすれば、C波の下落のほとんどが儲けにつながるであろう。
また、おそらく水曜日まで上昇が維持できるかどうかも疑わしい。途中でC波下落に進行してしまいかねない。
※C波の下落底は深ければ40500円程度だ。4時間足前天ネックゾーン(下記40645円~40355円)が支持ゾーンになってくれることを期待している。これについてはまた後日。
逆に急角度な上昇模様ならどうだろう。
このように、青色のジグザグ3波動目の大きさは1波動目の1.618倍値(拡大目標値)以上に達し、我々の目を疑わせる。「もしかして、衝撃波?」
しかも前の高値を少しでも上抜いたとなれば、なお更「すわっ、上昇トレンドの再開だ!」となろう。
・・・思わず買ってしまうことだろう。でも、そのジグザグ3波動(N字)で終了だからね。買っちゃダメ。
もう一つの見分け方は、上図で入れておいた赤色点線だ。正確な数値は41780円で、これは4時間足でのネックラインを意味する。ここを突破するかしないかで、その後の値動きの一部が判明する大事な水平線である。(※通常なら前高値を突破してしまい、上昇トレンド再開となるが、この場合はダマシのB波なので上昇トレンドにはならない。)
すなわち、このネックラインを突破するかしないかである。
突破せず反落するなら、それはもう下落方向のC波であろう。追いかけてショートするべきである。突破してきたらまだB波であり、前の高値に迫る、あるいは前の高値を少し突破する蛮行を行うかもしれない。ウリはまだ早いというわけである。
例えばA波の下落の現時点での61.8%戻しは41760円だ。このこともこのネックラインが値動きを左右する重要地点であることを物語っているだろう。
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おっとまた忘れる処であった。米国10年債金利チャートの話をしておかねばならない。いや、させてくれい。
先週記事で紹介した、青色ラインの4波トライアングルE波は、すでにのっぴきならない位置にある。上に行けば財政破綻の現実がぐっと迫ってくる。トランプ政権としてはなんとしてでも下に行ってもらって、時間稼ぎをしなければならないのだ。
今週前半、いや、パウエルが発表する直前まで「利下げ、利下げ」と叫び続けることだろう。必死のパッチなのだ。
先日もトランプはみずからFRBに殴り込みにいったようだ。パウエル氏と二人っきりの場では何かしらの脅し文句をささやいただろうか、彼の側近はスーツの内側に隠し持ったどすをちらつかせてニッと笑っただろうか、それとも、リボルバーの弾倉をカチカチ回してはロシアンルーレットの真似でもしていただろうか。
だとしたら、小心なパウエル氏が利下げに前向きにならざるを得ないかもしれない。今回はともかく9月の会議には利下げをほぼ約束するような言葉を発することになるかもしれないのだ。
なれば、相場は暴騰するだろう。(と言っても、その効果が長続きするかどうかは別問題だが。)
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では明日月曜日の戦略会議にしよう。もうすでに上で書いたように、明日の「買い」目線は当然である。少しばかり下落が残っているとしても知れている。
実は明日上昇するという材料をもうひとつ見っけた。
本日(たぶん日本時間の深夜)に、米国とEUとの関税協議があるらしい。それに対しトランプは「五分五分」と慎重姿勢だったらしいから、まずは(米国にとって)成功を勝ち取るのではないだろうか。彼はいつも控えめに言う傾向がある(※)。日本とのディール完勝に続いての2連勝だ。
※これもベッセントの差し金だ。どういう言動が希望の値動きにつながるかをとくとくと説明したことだろう。
これは1時間足。ジグザグ修正波になる場合の図だ。
フラット修正波として大きく上昇する場合も同じことだ。寄り付きから積極的に買っていこうと思っている。
<重要ライン>
①43550・・・全5波天井最大値の可能性も(現物は43255円/前回から訂正)
②42780・・・変則ジグザグ上昇チョイ拡目標値
③42565・・・本日上昇可能値(実験中)
④42500・・・過去最高値
⑤42305,42595・・・全5波天井候補値
⑥42080・・・直近高値
⑦41780・・・4時間足ネックライン
⑧41765・・・4時間足戻り高値
⑨41760・・・直近下落の61.8%戻し
⑩41440~41565・・・直近下落の浅戻しゾーン
⑪41460・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑫41400・・・ナイトセッション・ハーフバリュー
※41375・・・ナイトセッション終値
<参考>41342・・・現物225指数のマド埋め
⑬41335・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑭41245・・・ナイト安値
⑮41215・・・4時間足ジグザグ下落N値
⑯41075・・・⑤ー3波上昇の38.2%押し
⑰41060・・・5日線処
⑱40990・・・本日下落可能値(実験中)
⑲40905・・・下落転換ライン
⑳40875・・・4時間足ジグザグ下落拡大目標値
㉑40765~40455・・・⑤ー3波上昇の50%~61.8%押し
㉒40645~40355・・・4時間足前天ネックゾーン
㊴38975~38935・・・日中マド5
㊵38630~38405・・・日中マド4
㊶36630~36555・・・日中マド3
㊷34685~343355・・・日中マド2
㊸32640~32310・・・日中マド1
<詳細>
押しても⑬前後までと決めつけて買い向かう作戦にする。乱高下するなら⑭手前までありうるが一瞬のことだと思っておいた方がいい。悩むばかりでらちがあかない。
もちろん安値更新なら、ロスカット&様子見になる。まだA波の下落が残っていたかもしれない。しかし、その場合でも⑮では止まるだろうから、そこで買うことになるだろう。
買って上昇しだしたら、その上昇がどこまで伸びるか、どんな勢いで上昇していくのかをじっくり観察するだけである。デイトレなら利確目標は41700円前後までだろう。あるいは、ちんたらした道程なら、上記での斜め三尊」を疑うべきか。
勢いよくの上昇なら、ステイもいい。水曜日まで上昇が続くかもしれない。まずはN字の1波動目のN値前後の様子を伺い、それでもまだ伸びる余地あればホールドしておきたい。42000円近くまで伸びることを期待する。
緩やかな上昇で、斜め三尊をイメージ出来たら、⑦以下であることを条件に売りを仕掛けることも重要だ。㉒に向かう下落になることを期待する。
※昨ナイトセッションはそのセッション値幅が235円と平均の2/3程度の小ささ。しかも高値を付けた7/24日中セッションから数えて4セッション目に当たる。更に、そのマーケットプロファイルは、上下にテールを付けた均等型のきれいな山を築いている(最下部参照)。
なので、昨ナイトセッションで目先底打ちと考えられ、月曜日日中セッションからは上昇する可能性が大ではある。
しかしながら、下落途中の休憩時間という捉え方もできる。この場合は、まだ下落余地アリで1セッション、2セッション下落するかもしれない。
そういう意味でもナイトの安値⑭を割り込んだらロスカットの必要があるのである。逆に言えば高値41480円を突破してきたら、短期的にではあるがトレンドは上方向になるだろう。
<マイポジション&スイングトレード的構想>
売1(41900台) 変わらず
買2(37500台、39400台) 1枚減
金曜日は難しくて売玉も買玉も残せなかった。本格的な買いは木曜日だろう。
<前日感想戦>
9時即41680円で勢いに乗って売ってしまったが、すぐ同値撤退。数分後39720円で仕切り直した。
が、それでもなかなか下落せず、動き出すのに10時45分までかかったくらいの動意なし商状。前場終了10分前に41605円でいったんあきらめた。
後場すぐ41570円でウリ直し。始まってすぐ上の行ったので、41600円超をロスカットに置いた。そのあとB玉を同値で1枚利確を済ます。
3時過ぎても41400円を割らず、あきらめて3時半過ぎ41450円で利確する。大引け値で目標値41365円を付けてがっくり。
ナイトは下マド明けの寄付き。すぐ41340円で買えた。『ジグザグA波の底だろう』
5時10分41425円で利確、41440円が日中バリュー下限値だった。もう一度下落を望む。
9時前41350円で再度チャレンジも10時すぎ急落でやる気消失。戻った処41375円の小利に甘んじる。
昼も夜も動きが悪く、疲れた1日であった。
以上。
<マーケットプロファイル・プチ講座>
上下のテールに挟まれた山の部分は、ニューヨーク時間での往来相場を意味する。煮詰まり状況であるともいえる。
また、この2つのテールを両方とも試す動きになるかもしれない。どちらが先かわからないが、一方をまず試した値動きのあと、逆側にも振れていくというイメージ。これはあまり動意がない日のレンジ往来相場の商状になろうか。ローソク足で言えば、ツツミ足的な・・・。もう1セッション、一回り大きなレンジ相場になるということだ。
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