ベッセント長官、あなたはおそらく得意の絶頂にいたことでしょう。あの4月7日、米国債の金利が急騰するまでは。
トランプ大統領が全世界から嫌われてでも相互関税に踏み切ったのは、あなたと大統領が二人して仕組んだものですね。あなたは大統領にこう教えました。「株価を犠牲にして金利を下げましょう。それしかわが国を財政破綻から守る方法はありません」と。
「しかし、ワシの代で株価が下落するなんてかっこ悪いな。両方とも助かる手立てはないのか」とダダをこねる大統領には「株価と米国債価格が同時に下落したのは過去に2度。その1度が1987年のブラックマンデーです。テールリスクでしかありません」のひと言で黙らせました。
このチャートをご覧ください。米国10年物金利のチャートです。
国債金利は大統領選挙前後から上昇しておりました。あなたに託されたのはその金利を再び下落させることだったのは当然です。そこで思いついたのが先ほど申した「ふたり芝居」というわけです。
喜ばしいことに財務長官に就任以来、ダウ価格は下落の一方、米国債価格は逆に上昇、つまり金利は下落一途になりました。何もかもがあなたの思うつぼでした。大統領には「もっともっとお下劣な発信をして、世界を驚かせてやりましょう」と焚きつけたりもしていたはずです。「改革に痛みはつきもの」と大衆に向けて言い放つことさえ求めました。
『ここまま下落し続ければ(C点下の赤矢印)、(4)波はジグザグ調整波になるだろう。3%以下も可能だ。』エリオット波動理論に精通したあなたなら簡単に想像できることだったでしょう。ゆくゆくは(5)波になることになるが、2年間は大丈夫との読みもあったでしょう、あなたも大統領もです。
それがあの夜に急変したのです。部下からの急報に驚いたあなたは、すぐトランプ大統領に相互関税の延期を進言しました。「テールリスクが現実になるかもしれません」とね。
大統領の頭にひらめいたのは「恐慌」の一文字です。それだけは何とでも避けたい彼は自らピエロ役になることを決意したのです。のちに「TACO」と揶揄されることになる最初の狂言です。
あなたのすばやい進言と大統領の決断力であなた方は窮地を逃れます。4.6%近くまで急騰していた金利はすぐに下げ始めました。
しかし、わからないのはそのあとです。一時下落していた金利がまたぞろ上昇、4.6%を突破したにもかかわらず、なぜかあなたがたは何の行動も起こさなかったのです。
初めは株価上昇で幕間つなぎになるだろうから、その間に別の政策をと考えているのだろうと想像していました。でも、あなたはもっと別の次元を、もっと先を読んでいたのですね。
利回りがB点から下がり始めた頃、すでにあなたはこの(4)波がトライアングル形状になることを予想していたのではないですか?そうでなければ、あの頃の落ち着きよう、殊にトランプ大統領の上機嫌ぶりは理解できません。株価は上がる一方、利回りは下がる方向で、このまま上がったり下がったりを繰り返してくれれば、当分の間苦労することはありません。憎まれ役を演じる必要もなくなりますからね。
パウエル氏に対して能無し発言するばかりか、解任通告の可能性にも言及し、利下げを何度も要請していたことは、もしもの時の保険でしかありません。
しかし、それは大統領の考えです。あなたはそれ以上のことを考えていました。利回りチャートがD点から下落した時、それはトライアングル修正波のラスト波動=E波になったことを意味するのですが、そのまま下落することを夢見たのです。
4月のC点から更なる下落をさせてジグザグ波動にさせればと考えたように、今度もまたジグザグ波動になってくれればという考えが浮かんだのでしょう。
パウエル解任説が飛び交って、次期理事長席にあなたの名前も上がった時、あなたはなんとおっしゃったでしょう、覚えておいでですか。
「いや~、あんな重責、わたしなんぞに。でも大統領からの指名なら受けなきゃならんでしょう」でした。まんざらでもない気持ちが透けて見えました。
・・・茶番はもうよしましょう。核心を話します。
ベッセント長官、あなたは蜜の味を思い出したのです。政治家にとっての権力のことではありません。相場師としてのそれです。あなたがジョージ・ソロスのもとで、英ポンドのカラ売りを成功させたのは若干30歳の年でした。あなたはあの頃の熱狂が今もって忘れられないのです。
もう一度あの頃の熱狂、興奮の日々に戻りたい、大きな国を相手どって戦いたい、相場を動かすのはどんなに気持ちいいだろう。
あなたがトランプ氏からの誘いに応じた一番の理由はそれです。あの日、マンハッタンの千ベロ酒場で彼と義兄弟の盃を交わしたのは、その蜜の味をもう一度味わいたかったからに相違ありません。
大きな資金ではなく、自分の一挙手一投足、コメントの一言二言で、相場を自由自在に動かすことができるのなら、それこそが相場師としての無上の喜びなのではないか・・・。
これが今あなたが手に入れたがっている、蜜の味です。
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この原稿は7/17付けの宮田直彦死のレポートに掲載されていた米10年債金利のエリオット波動分析から着想を得て書いたものだ。4波がトライアングル形状であるという以外、なんの根拠もない想像上の産物であるから真に受けないように願う。
しかし、ここからの今週の予想記事は、このなんの根拠もない想像=妄想を根拠にして答えを導き出してみようかと思う。
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金曜日、あっさりと39800円を割り込んだ。そのことによって、5波がエクステンションしてそのまま急上昇するのではないかという期待、あるいは逆側から言えば懸念はなくなった。
残ったのは、この下落がどこまで続くのかという問題だけである。いちおう、ここからの値動きを書き出してみよう。
①これ以上下落することなく上昇する。
②下落はするが前の安値39130円を更新しないで、上昇に転じる。
③下落は安値を更新するが39000円割れ程度で終了し、その後上昇する。
④38955円(終値ベースでは38845円)を割り込んでしまう。
当たり前のことだが、この4つに分類される。このうち④番を無視するのは変わりない。あの40870円が天井だとはどうしても思えないからだ。が、可能性としてはあるわけだから、その時になったらさっさと鞍替えすることになる。ならないうちは考えないというだけである。
よって、①②③の中から考えることになろう。【4時間足】であらわすとこうなるだろう。
緑色ラインが①の動きだ。赤色は②③の動きだ。
しかし、どれになるかはわからない。波動がはっきり断定できないからである。
そこで、手掛かりとしたいのが米国の金利問題である。ここんとこの経済指標が米国経済の好調さを伝えるものが多かったので、7月30日(水)FOМCでの利下げ確率がぐんと減少したというのが一般的な見方だ。
たぶんそうなのだろう。しかし、トランプ陣営はそれでは困る。すぐ困るわけではないが、なるべくなら金利を下げてほしいのはごもっともだ。
先ほどの米10年物国債金利チャートの直近だけを拡大してみてみよう。
青色ラインがトライアングルE波だ。先週後半から3日連続で下落しているが、反転して上昇し続けたり、更に下落したとしてもそれほどでなければ5波の上昇トレンドになってしまうことになる。それは政権が避けなければならない最優先事項である。政権そのものが否定されるからだ。
現在の米国株価上昇は利下げ期待によるものが大きいという。なら、その期待は7月30日までの運命ではないだろうか。7月での利下げはナシに大勢は傾いているからだ。そうなら政権には時間がない。あと10日間だ。
その10日間にできるだけパウエル批判を繰り返すなどして、利下げ期待を継続させる作戦を取り、できるだけ金利上昇するのを抑えたいはずである。一方でそうなれば、株価は上昇しないが、大きく下落することもない。つまりはソフトランディングを狙っていくだろう。
日本株にとっては好都合だ。先週、先々週株価が上昇しなかった原因は日本独自の需給要因によることが大きい。本日20日の参院選投開票イベントが通過すれば、相場は上下どちらかに放れていくはずである。
日本株の上昇を見込む場合は、FOMCまでの10日間が勝負処。これを逃してはもう上昇の目はないと言ってもいいくらいだ。繰り返すが、利下げしない限りFOMC後には米国株の下落は決定的であるからだ。(逆に下落するなら=上の④の値動きなら、FOMC後からになるだろう。)
だから、今週は上昇に賭ける。ただし、上の①②③のどれになるかは依然として断定できない。これが結論である。
もっとも、①②③のどれになるかは明日月曜日にわかるような気がする。選挙が最後のイベントなら明日は動き出すはずである。
かのベッセント長官も「日本は選挙を先に考えるべき」と言っていた。いいヒントだ。長官の良心だと思いたい。
しかし、祝日だから動かないかもしれない。後場から動き出すかもしれない。最悪ナイトでは大きく動き出すだろう。この3択だろうか。
また、②③の場合、どちらになるかは寄付き早々にわかるということだ。なぜなら参院選の結果はその時間には大方の決着がついていると思われるからだ。
もうお分かりだろう。明日の戦略が見えてきた。
【1時間足】
これは上の②の値動きだ。緑色ラインのようにもう1波動下落の波が残っているように見えた。だからあまり大きな下落にはならないだろうかと思う。それで2波のジグザグ調整は終わり、赤色の3波動目に進行していくのではなかろうかと言うのが筆者の予想である。
<重要ライン>
①41345、41945、42000・・・⑤波天井候補
②41255・・・4時間足ジグザグ上昇拡大目標値(仮)
③41055〜41725・・・日中マド6
④40905・・・大上昇転換ライン
⑤40885・・・スイング上昇可能値(実験中)
⑥40870・・・③波高値
⑦40635・・・4時間足ジグザグ上昇N値(仮)
⑧40355~40645・・・4時間足仮天ネックゾーン
⑨40270・・・本日上昇可能値
⑩40250・・・上昇転換ライン
⑪40135・・・日足直近高値
<参考>39965・・・現物225指数・昨7/16始値
⑫39830・・・ナイトセッション・バリュー上限値
⑬39750・・・5日線処
⑭39735・・・ナイトセッション・ハーフバリュー
※39730・・・ナイトセッション終値
⑮39645・・・ナイトセッション・バリュー下限値
⑯39515・・・39130円~の上昇61.8%押し
⑰39415・・・本日下落可能値(実験中)
⑱39340・・・39130円~の上昇76.4%押し
⑲39130・・・日足直近安値
㊲38975~38935・・・日中マド5
㊳38955・・・⑤ー1波天(終値ベースなら38845円)
㊴38855・・・最悪の④波調整底値
㊵38630~38405・・・日中マド4
㊶36630~36555・・・日中マド3
㊷34685~343355・・・日中マド2
㊸32640~32310・・・日中マド1
<詳細>
イベント通過なら内容に関係なく、明日はカイになろう。それも寄付き直後にカイだ。
自民党の敗け具合によって下落(押し目)の度合いは違うが、少々のショックなら⑯~⑱前後での寄付きとなろう。歴史的大敗なら、もちろん⑲を下回ることになる。
どこで押し目底になるかはわからないが、その底は寄付き直後だろうということだ。寄り付いてからじりじり安値を何度も更新しているようでは、それはもう下落トレンドである。上で言った④の値動きになる可能性があるから手を出してはいけない。ショートで対応するべきである。
ただ、やはり日中の値動きは散漫になるかもしれないことは覚悟しておくべきか。祝日だから仕方ない。
それでも安値を更新し続けることがなければ、後場から、あるいはナイトからの上昇に賭けるのが上策だと思う。
逆にサプライズで、あるいはイベント通過の安心感からでも、寄り付いてから(それも高寄り)すぐ上昇のケースもあろう。①のケースだ。追いかけて買うことをためらってはいけない。
<マイポジション&スイングトレード的構想>
売2(40600台、40000トビ台) 1枚増
買1(37500台) 1枚減
金曜日の下落がどこまでのものなのか、正体がはっきりしないうちは売玉を外せないのは当然だ。それも月曜日ではっきりするだろう。その方向に増玉を。
<前日感想戦>
ツキがある時はこんなものだ。
寄付きから9時になる前に新高値更新となった。カイ目線はいっぺんに消失、一転ウリ目線に。
でも、みるみる的下落に迷ってるうちに仕掛けが遅くなった。9時すぎ40000円ジャスト。自覚があった通り、10分後狩られてしまう。
あきらめはない。更に10分後40035円の絶好玉をつかまえる。まもなくホールド決定の下落有り。
10時半少し前に39900円で追加のウリ。これは目標値39800円で躊躇なく利確設定。その後ホールド買玉を39820円で決済。これも躊躇なし。
その後39800円をも割れたことで、エクステンションの恐怖もなくなった。ウリも積極的になる。が、後場1時前39815円ウリは、10数分後反撃され失敗も終わり、全終了とした。
ナイトは静観。案外戻しも強いあるいは底堅い(39700円台)ことに売りの手を繰り出せずじまい。
以上。
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